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■思い立ったが2DAYS【第七話】

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前回ココ。栄光のフィニッシャーを目指しとにかく前へ進む。先頭は今どれくらいなんだろう…もう1ステはフィニッシュしてるのかな?なんて考えながら走ってると、他のエントラントとすれ違うようになる。よしよしこれはだいぶ追いついてきたって証拠でしょう。なんてつかの間の安心をしてとにかく前のKTMのお兄さんを見失わないようについて行く俺でした。
■似たもの同士
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▲順調にSSを消化していくが…

すれ違う他のエントラントと「ども~」なんて挨拶交わして余裕ぶっコイて走ってましたら行けども行けどもマーカー(▲)が現れません。普通しばらく続く直線では途中に▲出てくるんだけどな~って考えながらもとりあえずKTMのお兄さんがまっすぐ行くもんだから俺もついていく。ついていく。ずっとついていく。トンネルを抜けてもついてく。景色が開ける。どうやら山の反対側に出たようだ…眼下には松山市…あれ?なんかどんどん山を下ってないっすか?完全におかしいっすよねコレ。そーいえば結構前のT字路で反対車線に右に曲がれって▲あったような気がしないでもないけど…凄く見つけにくい場所にあったからアレは違うと思ってたけど…違うのかな…でもやっぱりコレおかしいっ!そう思った俺は急いで前の人を止めて話してみた。

   俺「ついて来てる俺が言うのもアレなんですけど…コレ違う気がしないっすか?」
KTM兄「いや~、アナタが付いてきてたからこっちでいいのかな~って…」
   俺「えっ…じゃお互いがお互いを頼りにしてたって事ですね…じゃ、やっぱりコッチ違いますね」
KTM兄「俺、地図もってますから見ます?」
   俺「助かります。…えっと、ココがSS3だから次のSS4へはどこかを右折ですね」
    (この時点で右側は崖になっており右折できる所はない…)
KTM兄「そうですね…」
   俺「やっぱり戻りましょう。俺ちょっと心当たりあるんで先を走りますね。少し飛ばします。」

オーマイガッ!痛恨のミスコース!一番やってはいけない事をしてしまいました。疲労で集中力が落ちてきてる時にこういうミスって起こるもんです。…お互いがお互いを頼りにしてるなんて…僕たち似た者同士ですな(笑)ってそんな事言ってる場合じゃない。やっぱり人を頼ってはロクな事にならないのがよくわかった。バカバカ俺のバカ!とにかくさっきのT字路から15分くらいは走ってるから往復でコース復帰まで30分のロス…これは痛い…マジで痛いミス。取り合えず猛ダッシュで戻る。遅い車は容赦なく抜く。そして何とか心当たりのあるT字路まに辿り着く。やっぱりマーカーがある。これを右で正解だったんだな。なんとかオンコースっ!

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▲辺りはすでに暗くなってきています。森の中はもうすでに…

ちょっとちょっと?まだナイトステージではないですよね?それなのに僕だけ先取りナイトステージしちゃっていいんですか?ってくらいの暗さなんですよ。ぅう…見えないよ…本当に真っ暗だよ…漆黒の闇ってこういう事を言うんですね。しっこくのやみ…四国の闇…シッコクシッコクぅ~っとくだらない事が浮かんでブ~っと吹き出したらザッサーと転倒。これでちょっと目が覚めました。ヤバイ、集中しないと…ってことでSS4終了。この時点で完全に辺りは夜。そしてKTMのお兄さんもガソリンがやばいってことで、ちょっと戻ったところにあるGSまで行く為にココでお別れ。そして俺はというと…それからの記憶が断片的にしかありません。途中、オフィシャルに「僕って時間大丈夫なんですか?」と聞いたら「まだオンタイムだからOK」と言われて一安心。確かSS5の途中はヌタヌタの所があり前輪がスリップして転倒を何度か繰り返した記憶がある…起こす力も殆ど残ってなかった…。その時に暗闇の中、一台コース上に止まっている人発見。「こんな暗闇で一人て…」余りの悲惨さに止まって話しかける(本来はタイムを計測してるSS中はそんなの見つけても無視)

俺「大丈夫です?どうしました?」
彼「エンジンが…」
俺「どうしたらいいのかな?俺なんか出来る事あります?」
彼「…」
俺「とりあえずオフィシャルの人に伝えておきますね」
彼「はい…」

コノ時は気がつかなかったけど、この彼は実は社長の知り合いのご子息で16歳の高校生の子だったんです。原因はガス欠。彼はGASGASで出てたんだけど、GASGASは混合なので途中で簡単に給油は出来ない。フルタンクの航続距離ではギリギリ帰ってこれる計算だったらしいけど、無理だったみたい。彼はその後1時間半位その場で助けを待っていたらしい。バイクが止まりライトが消えると本当に真っ暗で何も見えなくなる。そして森の中一人相当の恐怖だったと思う。隣のトトロを何度も何度も繰り返して歌っていたらしい(笑)

そしてその後のSS6・7とこなしてスキー場に戻るリエゾンを走る頃にはミストシャワーのような雨が降っていたのを覚えてる。森の中をただひたすら自分のバイクのライトだけを頼りに1ステのゴールを目指して走っていました…。

■やっとついたよ…涙目
そしてやっとの思いでスタート地点のスキー場に戻ってきました。ゲートはライトアップされていてすごく綺麗だったのを覚えている。既に時間は20:50くらいだった気がするな~ー…もう駄目だろうな~とフラフラになりながら自分のトラックまで行くと、社長を始めみんなが心配そうな顔で待っていてくれた。

社長「大丈夫か?壊れたところない?体は?よく走りきったな~」
  俺「大丈夫です。壊れたところもありません。やっと着きました…」

実はこの時の社長の「よく走りきったな~」っていう一言は疲れ切った体と頭には凄く効いたし、なにより嬉しかった。参加した人のみが感じられる一体感がソコにはあった。…っとセンチな気分に浸ってる暇なんてありゃしませんよ。2ステのナイトステージが始まるまであと10分しかないんですよ…。しかも、ナイトステージの一本目はあの地獄のライダーほいほい「V字谷」ですよ…

社長「そうだ、2ステは22:00スタートになったから。それからV字谷のSSはキャンセルになったよ。」
  俺「マジっすか!よっしゃーー!!」
社長「おいおい、そこで残念だな~くらいは言わなくちゃダメだよ(笑)」

いやいやいや…冗談でも今の俺には「残念」なんて言えないっす。あれをクリアする自信は今の俺には100%ないっす!自分のレベルを知ることも大切な事っす!なんて御託を頭の中で並べながら用意された夕食を食べてナイトステージに向けてエネルギー充填!!…のつもりが食欲がまったくない…なんせキャメルバック(小さいリュックで背中に飲み物をいれてストローで走りながらでもチューチュー飲めるバッグ)の2リットルのアクエリアスも飲み干して水分の取りすぎと疲労で全く食が進まない…食べなきゃと思っても思うだけ。全くノドを通らないので、汁物だけ頂いてゴチソウサマ。ここからまた体に鞭を打ちナイトステージに向けて準備をしないといけないのです(つづく
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[ 2009/12/01 02:02 ] 思い立ったが2DAYS | TB(-) | CM(-)